秘蔵:奈良の紅葉名所

「正暦(しょうりゃく)寺」を訪ねて

(11月18日(金)第69回例会報告)

コース:JR万葉まほろば線・帯解駅~円照寺~竜王池~正暦寺~時計台~

    JR万葉まほろば線・帯解駅

    12Km JRふれあい レベルA---「初心者・一般向き」ほぼ平坦」

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 絶好の行楽日和です。秘蔵の紅葉スポット「正暦寺」(しょうりゃくじ)を訪れました。

 奈良より離れた、山あいの「錦の里」と呼ばれる美しい名刹・紅葉真っ盛り、秋の絶景を楽しみました。

 JR万葉まほろば線・「帯解駅」(おびとけ)に集合。この沿線名・駅名をご存知でしたか? 奈良駅 から王寺駅を結ぶ、奈良郊外を走るローカル線です。

 近くには安産祈願で有名な「帯解寺」、山麓には記紀万葉のふるさと「山の辺の道」、パワースポットとして名高い「大神神社」(おおみわじんじゃ)などがあります。年間を通じて観光客、ハイカーが訪れる人気の沿線ですが、列車の本数が少なく、やや不便な地です。

 小さな駅が、大変多くのウォーカーで溢れました。

旧集落を抜け田園地帯へ、田畑は刈取りを終え、すっかり冬仕度・クリスマス用と思われるイチゴ、野菜---栽培など、ビニールハウスも多く見られました。

 国道168号線を越え「円照寺」参道へ、手入れの行き届いた静寂な参拝道でした。

円照寺は「非公開寺」で拝観出来ませんが、山門から覗くだけでも美しい「尼寺」です

。境内は赤と緑の見事な木々のコントラスト、「山村御殿」とも呼ばれ、華道の山村御流・家元でもあります。中宮寺・法華寺と並ぶ「大和三門跡寺院」のひとつです。

 山門前より東海自然歩道に入りました。牧歌的な、山あいの 深緑と紅葉---、田園と溜池---、心地よい秋の里山歩きでした。約20分の登り坂から急な下りへ、足元が悪く渋滞しました。

 谷あいの「正暦寺」に到着。長い境内は、赤い谷のように紅葉に包まれ、閑寂な中に

燃えるような朱色や黄色に染まっていました。

 正暦寺は奈良郊外と天理の山間、やや、人里離れた地にある「菩提山真言宗」の本山です。山内には約3000本を超える「カエデ」があり、高い所から順番に紅葉し、木々の緑と黄色、赤の紅葉が織り交ざって、あでやかに染まる様は(錦の色)に見えます。このことから正暦寺は古来より、別名「錦の里」と呼ばれてきました。

 今日は(good timing)・紅葉真っ盛り、でした。

山内には「菩提仙川」が流れ、両脇には福寿院客殿・本堂・鐘楼があり、境内を覆い隠すかのような真っ赤な楓(カエデ)で包まれた静寂にして優雅な花絵巻・感動の光景でした。

 境内の1000本以上の「南天」も赤い実をつけ、参道は赤一色、一層のアクセントを付けていました。広い芝生広場で、錦秋を感じながらの、癒しの昼食時間でした。

 境内には「日本清酒発祥の地」の碑が建っています。菩提仙川の清流を用いて、日本で初めての銘柄・「菩提泉」が醸造されたと伝承されています。

 

午後は、県道を一路、ゴール地の「帯解駅」に戻りました。快晴の秋空の下、紅葉、晩生のコスモス---など、秋の里山を味わいつつ、 楽しいウォーキングでした。

 駅近くの「帯解寺」は寄らず、自由参拝と致しました。日本最古の安産祈願・求子祈願霊場です。美智子皇后はじめ多くの皇族の方に岩田帯を献納されています。

本日は248名のご参加、大変有難うございました。「錦の里」お楽しみ頂けましたか?

 次回は、12月2日 紅葉のトンネル&赤絨毯・「清水寺・高台寺・永観堂・南禅寺」巡り落ち葉散る晩秋・ご期待下さい。

 

 [正暦寺]

 一条天皇の発願により、992年関白九条兼家の子兼俊が創建した寺院。境内にある3000本を超えるカエデが色付く晩秋は、木々の緑と黄色や赤の紅葉が織り重なり、山内全体が美しい錦で着飾ったように見えることから、正暦寺は昔から別名「錦の里」と呼ばれる。

 特に福寿院からの眺めは圧巻、見頃は11月中旬から下旬。清酒発祥の地としても知られています。

 

  [門跡寺院]とは

「円照寺」は、中宮寺・法華寺と並ぶ「大和三門跡寺院」のひとつです。

門跡(もんせき、もんぜき)とは、皇族・公家が住職を務める特定の寺院、あるいはその住職のことで、 寺格の一つです。 元来は、日本の仏教の開祖の正式な後継者のことで「門葉門流」の意でした(この場合は門主とも)。

 鎌倉時代以降は位階の高い寺院そのもの、つまり寺格を指すようになり、それらの寺院を門跡寺院と呼ぶようになりました。

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奈良屈指の人気コース 倭は国のまほろば

「山の辺の道」「柿食えば---」

(11月4日(金)第68回例会報告)

コース:JR万葉まほろば線/近鉄天理線・天理駅~石上神宮~天理観光農園~

    天理市トレイルセンター~崇神天皇陵~檜原神社~大神神社~仏教伝来の碑~

    JR万葉まほろば線/近鉄大阪線・桜井駅

 17(10)Km JRふれあい レベルB---「一般・やや健脚向き」多少の起伏/坂道あり

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 味覚の秋たけなわ・絶好の行楽日和です。

 今回は、是非、歩きたい道-NO1・人気の「山の辺の道」ウォークでした。

「美しい日本の歩きたくなる道:500選」に選ばれている風光明媚な所です。

 「山の辺の道」は、日本書記にも記されている日本最古の道・奈良から桜井市へ通じる全長26kmの「東海自然歩道」です。眺望が良い南コース(天理~桜井)を巡りました。陵墓、古墳、遺跡、社寺---、万葉の歌碑も多く、いにしえの風を感じる古道です。

 路傍には柿、みかん、野菜---などが販売され、秋の味覚一杯の楽しいハイキングでした。

 天理市は国内唯一の宗教都市・市の表玄関は、天理駅広場~天理本通り~天理教会本部へ通じる商店街で、広くて立派な(アーケード)が(約1キロ)続いています。天理教の法被を着た大勢の信者が行き交い、「天理教の門前町」といった表現ぴったりでした。市街は「天理教本部」を中心に建物がとてもユニーク、 壮大で荘厳、個性あるデザインの建築が多く、特徴ある「天理教様式」とでも申しましょうか、古風で近代的、独特の美しい姿を醸し出しています。

 

 街路樹は、全て(天理市の市木)・「イチョウ」です。全体的には少し早いですが、一部は黄金色に輝き始め、見事な「イチョウ 並木」が続いていました。あまり、知られていない「ゴールドの並木道」、お勧めの散歩道です。

 巨大な横長の建物(天理参考館・小学校・天理大学の連り)前に来ました。大正ロマンを感じさせるレトロ風の雰囲気です。道路の両岸には無数の「サルビア」が整然と並べられ、真っ赤に咲き誇る光景は圧巻、心和ませてくれました。

 

 山麓の「石上神宮」(いそのかみじんぐう)に到着。飛鳥時代の豪族、物部氏の総氏神です。鎮守の森には深緑の樹木が生い茂り、名物の「御神鶏」(ごしんけい)と言われる数十羽の「にわとり」が境内を自由に闊歩し、人なつこく迎えてくれました。とさかの真っ赤なチャボ、体が真っ黒な---など変わった種の鶏が多く、参拝者を楽しませてくれます。

 道行く古道は、柿・みかん---畑が続き、まさに、たわわの実りの秋の風情でした。

急坂を下り「天理観光農園」に到着。果物・野菜等の販売を兼ねた休憩所で、柿---アイスクリーム---を食べる人々---、のどかな秋の里山風景でした。

「竹之内・萱生(かよう)環濠集落」の案内板あり。外敵を防ぐため周囲に用水路を兼ねた水濠を巡らせた集落で、今も濠の一部が昔の面影を残しています。

 「天理市トレイルセンター」に到着。芝生の美しい外庭で昼食に致しました。ここは中間(10k)地点、33名の方がJR柳本駅にゴールされました。

 

 午後は、壮大な前方後円墳(全長240m)の「崇神天皇陵」など、大小、多くの陵墓が集まる古墳群を眺めながらの古道下り、古墳は濠を、めぐらし神聖で静寂な森のようです。

 熟した「渋柿」 が鈴なりに頭重しと垂れ下がり、休耕田には晩生の「コスモス」がピンク色鮮やかなに、遠くには香久山・畝傍山---など大和三山が見渡せ、眺望の素晴らしいビューポイントが続く東海自然歩道でした。

 

 無人販売所も多く、柿・みかん・野菜など、一袋、100円と安く、買い物でリック満杯のご婦人---など、買い物ウォークになりました。

 大和青垣国定公園、「桧原神社」(ひばらじんじゃ)を過ぎ、「大神神社」(おおみわじんじゃ)に到着。「三輪明神」ともいい、背後の「三輪山」を御神体とする日本最古の神社です。石上神宮と共に「最強のパワースポット」と言われています。当地は「三輪そうめん」生産地としても有名です。

 二上山、葛城山---を前方に、平等寺・金屋の石仏・仏教伝来之地碑---大和川を渡り

桜井駅に3時20分ゴール致しました。222名のご参加有難うございました。

いにしえの古道と秋の味覚---enjoy頂けたでしょうか?

 

次回は、11月18日 秘蔵の紅葉名所「正暦寺」を訪ねます。お楽しみに

 

[竹之内・萱生環濠集落](たけのうち・かよう、かんごうしゅうらく)

 山の辺の道(南)沿いに、北側に竹之内集落、南側に萱生集落が存在します。

奈良盆地の東麓、標高100mの高さに位置し、盆地内では最も高所に造られた環濠集落です。

 その始まりは室町時代に遡ると言われています。大和でも室町時代の戦国期に動乱を受け、自衛の手段として集落の周囲に濠が設けられました。 竹之内・萱生町には、未だ、環濠集落が一部、残っています。

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