記紀万葉のふるさと「山の辺の道」と「秋の味覚」 (10月31日(土)第43回例会報告)

コース:JR万葉まほろば線/近鉄天理線・天理駅~石上神宮~天理市トレイルセンター

    ~崇神天皇陵~大神神社~JR万葉まほろば線/近鉄大阪線・桜井駅

    (JRふれあい 17Km・10Km)

 秋たけなわ、気持ち良い朝です。「山の辺の道」は日本書記にも記されている日本最古の道で、奈良から三輪へ通じる延長26kmの「東海自然歩道」です。

 今例会はハイカーに大変親しまれており、人気の高い「天理駅から桜井駅への南コース」(17キロ)を歩きました。

 陵墓、古墳・遺跡、社寺はじめ万葉の歌碑も多く「いにしえの道」・古代を感じながらのウォークです。 路傍には柿、みかん、野菜などの無人販売所が多くあり買い物ウォークになりました。 

 天理市は日本一の宗教都市です。市の表玄関でありメインストリートは駅前からの「天理本通り」です。広く素晴らしい(アーケード)商店街が約1Kmに渡たり続いています。大勢の天理教の法被を着た信者が行き交い天理教会の門前町といった雰囲気ぴったりです。壮大で荘厳な「天理教教会本部」を中心とした周囲の建物の形が「天理教様式」とでも申しましょうかとても独特です。(こんな大げさな事は言わないですね)

  ウォークは天理駅前商店街入ってすぐに右に折れ国道25号線に出て、天理市役所・天理大学方向へ進みました。道路の街路樹は天理の市木であるイチョウ並木が見事に続いています。早くも、イチョウが眩しいほどに黄金色に輝きはじめています。

 

 レトロ風の巨大な横長の建物が目の前に現れました。道路を跨いで横断しています(天理参考館・小学校・大学が連なっている)その大きさと独特な建築様式に圧倒されながら下をくぐって行きます。最高にエキサイティングな通りです。また、サルビアがプランターに植えられ整然と並べられ、真っ赤に咲き誇っていました。

 大学生に戻ったような若々しい気分になりました。天理大学は今年で創立90周年を迎え、大正ロマンを感じさせる様な堂々としたモダンな洋館です。 車も少なく静かな心地良い風を感じながらの市街歩きでした。

 近隣の天理市役所はじめ独特の建築様式・市街景観は重厚で荘厳さと歴史を感じさせました。県道51号線を渡ると山裾の「石上神宮(いそのかみじんぐう)」に到着、飛鳥時代の豪族、物部氏の総氏神です。当時は朝廷の武器庫だったそうです。桜井市の大神(おおみわ)神社と共に日本最古の神宮・「最強のパワースポット」として有名です。樹木が生い茂り、神宮の名物、「御神鶏」と言われる数羽の「にわとり」が人なつこく迎えてくれました。 

 小休憩後、起伏の多い山道を南に進みます。この辺りから無人の売店が見られるようになり、そろそろ買い物ウォークの始まりです。斜面には柿・みかん畑が続き、まさしく今が旬,たわわに実る柿の木が印象的でした。

 急坂を下ると天理観光農園が見えて来ました。みかん狩りや、柿・野菜等の販売を兼ねた休憩所です。ここでも列詰め小休憩をしました。柿、みかんを食べている人等、のどかな里山風景、冬桜(十月桜)も見られ眺望の素晴らしい道でした。

 夜都技神社から東海自然歩道を進み、竹之内・萱生(かよう)環濠集落を通り抜けていきます。環濠集落は外敵を防ぐため、周囲に用水路を兼ねた水濠を巡らせ、奈良県では最も高所にある環濠集落です。今も濠の一部が昔の面影を残しています。  

 刈り取りを終えた田圃や、コスモス畑、鈴なりの柿が頭重しと枝を下げ、静かに冬到来を待っている光景を眺めながら、天理市トレイルセンターに到着しました。

 天理市が提供している立派な休憩所で、外庭も広くここで昼食休憩としました。隣は大地獄絵で有名な「長岳寺」です。 

 午後は、中間ゴール(JR万葉まほろば線・柳本駅)に向かう参加者と別れ、大小20近くの陵墓が集まる古墳群を眺めながらのウォーキングです。全長240mの壮大な前方後円墳の崇神天皇陵前にやって来ました。緑深い大きな森に見えます。卑弥呼の墓とも言われている箸墓古墳も近くに見えます。遠くには香久山・畝傍山---と大和三山も見渡せるビューポイントです。道行く休耕田には「コスモス」が植えられ鮮やかなピンク色に咲き乱れていました。 

 路傍に柿・野菜等の無人販売所・スタンドが増えてきました。柿・みかん・野菜等、全てが一袋100円と安く、買い物に勤しみリック満杯の参加者・柿やみかんを食べている人等、まさに各駅停車状態で列は長くのびましたが思い思いに秋の旬を満喫の様子でした。

 青垣国定公園に入ってきました。山の辺の道は山麓沿いを行く心地よい森林浴道が多く、眼下には奈良盆地が広がり眺望抜群です。無人販売所も桧原神社前でほぼ終わりです。

 三つ鳥居の桧原神社を過ぎ、大神(おおみわ)神社に到着・「三輪明神」ともいい背後の三輪山を御神体とするわが国最古の神社です。二上山・葛城山等、眺望も素晴らしく、平等寺・金屋の石仏・仏教伝来之地碑を過ぎ、初瀬川(大和川)を渡り桜井駅に3時10分ゴール致しました。224名のご参加、有難うございました。長距離ウォーキングお疲れ様でした。

 神話と伝説・万葉時代からの有名人の詠んだ歌の石碑・歌碑が至る所に点在し、古代の幻想の世界へと引き戻してくれた歴史古道巡りでした。いにしえの道・コスモス・秋の味覚---と堪能頂けましたか?

 次回は、11月13日(金)紅葉の名所・京都「嵯峨野・嵐山」から「桂川」を下ります。ご期待下さい。

 「IVVとは」

 「IVV」はゴール時にお渡しています小さい長方形の (完歩証明)です。

興味のある方には活用方法等の説明資料を渡しします。スタッフまで申し付け下さい。「IVV記録」を始めてみませんか?ウォーキングの楽しみがさらに加わりまよ。  詳細は、当協会-ホームページの「IVVとは--」を参照下さい。

例会報告写真はここからご覧下さい。

漫歩マンさんの例会報告写真はここからご覧になれます。



コスモス満開・いかるがロマン回廊「斑鳩三塔」から 「竜田川緑地」へ(10 月17日(土)第42回例会報告)

コース:JR大和路線・大和小泉駅~小泉神社~法起寺~法輪寺~法隆寺~藤ノ木古墳~

    つれづれの道~念仏橋~竜田川緑地~大和川~JR大和路線・王寺駅

    (JRふれあい 14Km)

 天候はやや下り気味予想も、朝から絶好の行楽日和です。今日はコモモス咲く「斑鳩三塔」から「業平つれづれの道」へと、斑鳩ならではの「塔のある風景」と、今に息づく「いにしえの道」を歩きます。

 まさに「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」ぴったりの時期です。 周辺の開発が進むJR大和小泉駅からの出発です。 

 南北に流れる冨雄川を渡ると歴史ある「小泉町」集落にやって来ました。室町時代に「小泉城」のあった地です。大乗院方衆徒だった小泉氏の居館でしたが大和国の動乱の中、小泉氏は筒井順永に攻められ落城し、慶長6(1601)年には片桐貞隆が1万5千石で大名となり、元和9(1623)年に小泉に入り陣屋を構えたと伝わっています。小泉氏の居館を「小泉城」、片桐氏の居館を「小泉陣屋」とも呼んでいます。

  集落中央に位置するのが「小泉神社」です。正面には「片桐小泉城の門」が移築されており現存する唯一の建築物・歴史を伝え繋ぐ貴重な門です。かつての城下町の鎮守に相応しい重厚な趣を見せています

 小泉地区から斑鳩の里へは田園地帯を抜けて行きます。刈り取りが終わったばかりの畦道を心地よい土の感触を感じながらの、のんびりウオークです。清々しい風が心地よいです。

 前方に荘厳な雰囲気の高い塔が見えてきました。斑鳩三塔の一つ「法起寺・三重塔」です。現存する「日本最古の三重塔」(高さ24m)で、世界遺産に指定されています。田園に取り残されたように立ち尽くす姿に風情があります。周囲はコスモスが花爛漫と咲き誇り、今まさに満開です。

 地元・岡本地区の方たちが毎年、周辺の休耕田に(コスモス)種をまいて栽培しています。カラフルなコスモスの花が塔を一層優しく浮かび上がらせとても美しい光景です。斑鳩の風物詩です。写真を撮る人・花を楽しむ人たちで一杯でした。

 斑鳩の里には、聖徳太子所縁の寺・(斑鳩三法寺)があり、これらのお寺にある塔(法隆寺五重塔、法輪寺三重塔、法起寺三重塔)を「斑鳩三塔」と呼んでいます。

 周辺には柿畑も多く、旬の味覚一杯です。歩きながら食べている人もいます。稲刈りを終え、まさに秋景色から冬支度へと変貌する里山景観です。

 

 法輪寺・中宮寺・法隆寺へと向かいます。聖徳太子ゆかりの地・その歴史と深く関わってきた里集落、点在する古道、文化の香りと里山のたたずまいが一体となった風景など、「斑鳩の里」ならではの出会いです。のどかでゆったりとした歴史を感じるウオークでした。

 世界遺産「法隆寺」に到着、大陸文化の香りを漂わす奈良時代に建てられた代表的な格式ある寺です。境内には、凛々しい五重塔はじめ有名な建造物が建ち並び、飛鳥時代の歴史や文化を学ぶことができる歴史的スポットです。多くの観光客、特に修学旅行生が多く列をなしていました。正面の階段では記念撮影の順番待ちでした。法隆寺は修学旅行のメッカです。まさに「柿食えば鐘の鳴るなり法隆寺」でしょうか。

 「五重塔」を横目に、美しい歴史的町並の「西里通り」を抜けると、今もその謎を秘め大陸文化の香り漂う「藤ノ木古墳」が目の前です。6世紀後半の造営・円古墳ですが、近年、整備工事が完了し墳丘表面にコグマザサを植え、周辺には、解説板やベンチが設置されるなど一新され美しい姿が再現されています。外窓から横穴式石室を覗く事が出来き、長蛇の列となりました。

 近くには斑鳩文化財センターがありレプリカではありますが、埋蔵品の展示などがあり一見の価値があります。機会を見つけて訪れるのも良いかと思います。

 周辺には鮮やかなコスモス畑が広がっています。ピンク色に咲き誇り、カメラアングル最適のビューポイントです。藤ノ木古墳からほど近い所の健民運動公園で昼食をとりました。美しい大きな溜池が傍にあり心洗われるランチタイムでした。

 

 午後は、平安歌人・在原業平が通った「業平つれづれの道」を歩きます。このロマンあふれる伝説の歴史街道は「業平道」ともいわれ、今は花々が美しい一辺の田舎道です。柿の木畑を抜け、竹の道・見事な竹藪のトンネルを歩きます。かぐや姫に出会いそうな道です、竹の清清しさとその凛々しい景観に目を奪われているうちに、花と緑が美しい谷沿いの竜田川・「竜田公園」に出ました。古今和歌集にも詠まれた「紅葉の名所」で、晩秋には真っ赤に染まります。業平道は歴史へのタイムスリップしそうな、平安の恋心に触れた路傍の道でした。

 竜田川緑道で今日最後の列詰め休憩を取り、三室山(標高82m)を迂回し、大和川堤防から河川敷の児童公園でIVVをお渡しして14時30分、JR王寺駅にゴールしました。

 

 お疲れ様でした。本日の参加者は275名と大変多くのご参加を頂きました。有難うございました。里山情緒と歴史に浸った「斑鳩の里」、エンジョイして頂けたでしょうか?

 

 次回は10月31日、人気コースNO1・記紀万葉のふるさと「山の辺の道」を歩きます。古代歴史と秋の味覚をお楽しみ下さい。ご参加お待ちしております。

 

つれづれの道

「業平道(なりひらみち)」は、天理市から、大和郡山、安堵町を通り、斑鳩から平群の十三峠を越えて八尾・高安の玉祖神社に至る古道で、この道は平安時代の歌人、在原業平が、天理から河内高安の恋人・河内姫のもとに通った道といわれ、業平の伝説が数多く残るロマンの道とも言われています。

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